PART4

・・ 従兄弟紹介の産婦人科・・

 初めての産婦人科検診は、最後に血液を採取して終了しました。 診察自体は、そんなに時間のかかるものではありませんでした。それよりも、思っていた以上に医療費の高さを実感しました。風邪を引いたときに支払う金額の何倍もかかったからです。

 そこで、夫は親戚や知人の経験者に聞いてみることにしました。1ヶ月に一度の産婦人科検診とはいえ他の産婦人科もそんなに費用がかかるのか、もしどこか別におすすめの産婦人科があれば、そこへ通うことにしようか、と考え始めたからです

 そして、次回の予約を入れた1ヵ月後の検診はキャンセルし、2年前に通って、そのドクターで産んだという経験を持つ従兄弟夫婦が紹介してくれた産婦人科を訪れることになりました。妊娠四ヶ月目の12月中旬でした  

 今度は、場所はおなじくオーチャードロード沿いでしたが、病院内のクリニックではなく、いわゆる商業用ビルの中にある産婦人科でした。ほんとうに、こんなところにあるのかと、少し疑問を感じました。

 今度のドクターも やはり、年のいった男のドクターでしたが、前回のドクターとは印象がだいぶ違いました。そこでも体温測定、尿検査、血液検査がありました。もちろん、前回と同じような質問も受けました。

 私としては、最初に訪れた産婦人科の先生がわりと良い印象を与えてくれたので、その先生がいいなと思ったのですが、夫は、今回の先生のほうが気に入ったようでした。

 受付の人に、出産までのパッケージ費用がお得だとか言われ、従兄弟夫婦が紹介してくれたということもあり、結局そのドクターに これからもみてもらうようになりました。確かに、初診費用だけをみても、前回のところよりもかかりませんでした。



・・ 産婦人科の隣・・

 従兄弟が紹介してくれた産院の受付の人は、親切にいろいろなことをおしえてくれました。私には一つ前回の別の病院での検診の時から疑問に思ったことがあったのです。それは、妊娠*カ月という数え方が、日本とは違うことです。

 日本へ里帰りした時に母に買ってもらった日本の本には、0〜3週目を1ヵ月とし、4〜7週目を2ヶ月目、8〜11週を3ヶ月目と書いてあります。でも、シンガポールの産院では、どこでも1ヵ月ずれるのです。今回は14週目で、4ヶ月にあたるはずなのに、「妊娠3ヶ月目ですね。」と言うのです。

 後で聞いたところによると、シンガポールの病院で採用している欧米系流の妊娠月数の数え方は日本とは違うため、日本では4ヶ月目でも、シンガポールでは3ヶ月目と数えるそうです。そのために、それを知ってからは、私は妊娠を週で答えるようになりました。

 今回も産婦人科内の冷房は強くて、体にこたえました。それでも前回の反省を踏まえ、しっかりと羽織るものを持ってきたので、とくに問題はありませんでした。

 結局、通院時にかかる基本の検査代をパッケージ料金で支払うことにしたために、さらに気をよくした受付の人は、妊婦が飲む粉ミルクのサンプルを沢山くれました。それから、今回採血した検査結果は2週間後に電話で知らせてくれることになりました。ドクターの勤める病院がアルバニア病院で、そこで検査するそうです。ちなみに、出産する時も、そこの病院で、前回の病院と比べると入院費が若干安いようです。

 こうして初回の診察が終わり産婦人科を出ると、隣の部屋から日本語が聞こえてきました。なんだろうと思い覗いてみると、そこは日本人に日本語で中国語を教えるという教室でした。

 母国語が中国語である夫は早速その教室へ入っていきました。受付には日本人がいて、もうじき年末になるためにしばらくお休みが入り、授業再開は年明けになると言いました。でも、現在最後の授業をしているからということで、さっそく体験授業に入らせてもらい、これも何かの縁だと感じ、そこで中国語を習い始めることに決めました。


・・ 妊婦のはまった南国フルーツ・・

 夫の従兄弟から紹介してもらった産院の隣が、日本語で学ぶ中国語学教室で、1時間ほど、無料体験を受けることにしました。受付の人はとても親切に対応してくれて、違う日に開かれる、レベルが少し違う他のクラスも無料体験させてくれることになりました。

 結局2講座聞いた上、さっそく申し込みました。でも、もうじきクリスマス&年末。どちらの講座も長期の休みに入る前の最後の授業だったので、年明けからの受講ということになりました。

 この頃のシンガポールは、建物、路上など、クリスマスの飾りつけで、町中がとても華やいでいました。こんなに暑いのにクリスマス時期だということに違和感がありましたが、体調も良く過ごしやすかったです。

 一般に、3,4ヶ月目というのはつわりの時期ですが、私の場合、体調がそんなにひどいことはありませんでした。ただ朝起きると、なんとなく気持ち悪いかな・・と、感じる。そんな程度のものでした。

 それでも食べ物ではまったものがあります。南国フルーツです。口当たりがよく、喉越しがよくて、そればかり食べていました。一番好きな果物は、マンゴー。他には、パパイヤ、パイナップル、メロン、スイカ、大きなココナッツの中に入ってる水、それから周りについている白い果肉も好きで良く食べました。

 南国フルーツにすっかりはまった私でしたが、さすがにドリアンとジャックフルーツは、匂いをかぐだけでも、妊婦にはきつく感じました。それでも、ドリアンが好きな夫は、シーズンになると沢山買いこんでくるのでした。そして今、3歳の息子はドリアン好きです。

 シンガポールは、果物が豊富に出回っていて、なおかつ安いので、たまに日本から両親が遊びに来ると、まず近所のお店や市場、スーパーなどで、果物を沢山買い込んできます。 来る時期によって、多少出回っている果物は違うけれど、マンゴー、マンゴスチン、デュク、ドラゴンフルーツなどが大好きです。



・・ 妊娠初期の食べ物・・

 シンガポールでは、最初の産婦人科受診の時に、総合ビタミン剤、それから鉄やカルシウムの錠剤を処方してくれます。私は、2つ産婦人科を回りましたが、どちらでもそうでした。

 日本の妊娠に関する本によると、つわりの時期は、まだ赤ちゃんがそれほど栄養を必要としていないので、食べられなくても心配することはないし、なんでもよいから口にできるもの、食べたいものを食べるようにしましょう もし摂取できるのであれば、つわり悪化の原因の一つである自律神経の乱れを正常に戻す働きがある、「ビタミンB6(ピーナツ、納豆、そば)とビタミンB12(牛乳、魚介類、肉類)」を取るように心がけること、と、書いてありました。

 また、さっぱりした果物ですっきりさせましょう、ということで、スイカ、リンゴ、パイナップルなどを冷凍庫で凍らせた即席シャーベット、ハーブティーのシャーベットやゼリーなどがお勧めですとも、書いてありました。

 とりわけ悪阻がひどいわけではなかったのですが、私はこのころ南国フルーツにはまりました。でも、夫や親戚は、スイカはダメ、メロンもだめ、パイナップルも食べちゃダメだと言って規制ばかりするのです。この時期に果物ばかり食べると、流産しやすいからだということです。

 そして、妊婦によい食事ということで用意してくれたものは、豚肉と足を生姜と黒酢で煮込んだもの、真っ黒なチキン丸ごと1匹の入った漢方スープなど、私はいままで口にしたことのないものばかりでした。

 私は、豚肉の煮物なら 体調がすぐれていないとき以外なら食べられるのですが、黒いチキンは口に合いませんでした。さらに、漢方スープのにおいに、かえって気持ちが悪くなりました。他にシンガポールのローカル米が炊き上がった時のにおいも苦手でした。

 私の場合、夫の親は国境にある橋の向こうに住んでいるために、あまり関与してこなかったので、少しは楽でした。



・・ シンガポールのクリスマス・・

 妊娠15週目、シンガポールへ移住して初めてのクリスマスです。つわりでとても苦しんだわけでもなかったので、二人だけで過ごす最初で最後のクリスマスになるだろうし、子供が産まれたらしばらくは外出もできないと思い、初めて日本食レストランへ出かけました。

 クリスマスイブの夜の街は、大勢の人でにぎわっていました。それから、クリスマスのイルミネーションがとても華やかで綺麗でした。シンガポールへ来てから、夜に外出することはなく、しかも妊婦ということもあり、日中すら近所への買い物以外はあまり外へ出歩くことがなかったので、久しぶりに なんだかとてもワクワクしました。

 夫の会社では、クリスマスイブの日は午前の半日で終わり、しかも昼には会社のほうで昼食会とラッキードローがあり、それが終わると翌日の25日はシンガポールの祝日となっているので、まさにクリスマス休暇という感じです。しかも、クリスマス前にはボーナスがでたし、まさに二重の喜びでした。

 仕事は半日で終わっても、その後のイベントのために、結局、夫との待ち合わせは夜。しかも、レストランはどこも行列でした。

 でも、列のないところは、完全予約制になっていたために、覚悟をきめて並ぶことにしました。1時間ほど待ったと思います。ようやく店の中へ入ることができました。日本食レストランということもあり、あまりクリスマスっぽい雰囲気ではなく、メニューも和食のみで、クリスマス気分が味わえなかったのですが、店内にいると、まるで日本にいるような錯覚がして、なんだか、妙に懐かしく、とても日本へ帰りたくなってしまいました。

 和食が満喫できたことは良かったのですが、やはりクリスマスケーキが食べたかったので、ケーキ売り場をみて回りました。日本と同じように多種多様ありました。ようやく選んで購入し、自宅で食べました。それでも、どうしてもクリスマス気分になれなかったのは、気候のせいでしょう。クリスマスの華やかなイルミネーションを汗かきながら見るという体験は今までなかったし、半そでで過ごしている中、クリスマスっぽいものを見ても、なかなか納得いかないものがありました。



・・妊娠16週目、血液検査の結果・・

 クリスマスが終わると、大晦日、元旦へと一気に突入しますよね。日本では、クリスマスから一転し、翌日からはお正月へ向けての飾りつけに変わりますが、ここシンガポールでは、いつまでたってもクリスマスイルミネーションがついているし、クリスマス用のオブジェも飾ったままなのです。おまけに2,3日後にもクリスマスケーキが並んでいるので、不思議な感じがしました。

 このころ、私は妊娠16週目、日本で言えば5ヶ月目に突入していました。そんなある日、夫のほうから連絡が入り、前回の産院(従兄弟が紹介してくれたほう)での血液検査の結果、お腹の子供がダウン症という可能性があるので、年明けすぐ羊水検査をするように言われたのです。

 いままで、ダウン症というのは、言葉でしか聞いたことがなく、それがどういったものか、理解できていなかったのですが、染色体異常で、その数が普通の人よりも1本多く、知的発達障害や運動発達障害があり、病気、感染症にかかりやすい体質の子が産まれるかもしれないということでした。

 先生の診療所には、羊水検査ができる設備、環境がととのっていないので、NUH(National University Hospital、国の病院)へ1月2日に予約を入れたから、行きなさいという指示でした。

 羊水検査という言葉は、初めて聞くものだったので、その時あまりよく理解していなかったのですが、すべての人が行う検査ではなく、主に高齢出産の人が行うという、リスクが高い検査でした。それから、染色体を調べる検査なので、子供の性別が男か女かはっきりするこということでした。

 1月2日に検査するということにも、少々ビックリしました。元旦の翌日に急患でもなんでもないのに、病院が開いていて、しかも一般予約を受け付けるなんて。日本では信じられないことだからです。

 でも、シンガポールでは1月1日の元旦は、その日限りの国の祝日であり、1月2日は、現地の学校の新学期開始日。それを知って、なんとなく理解できました。


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メイナイの
シンガポールで育児
 
PART1
はじめに…
序章
結婚式までの1ヵ月
結婚式の数日前
 
結婚式の朝 
夫の家での結婚式
 
中華レストランでの披露宴

PART2
結婚披露宴 2
披露宴が終了して
妊娠発覚

日本へ帰ろう 
日本の秋は寒かった
滞在中楽しかったこと


PART3
8週目のできごと
8週目のできごと(続き)
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GPから紹介された産婦人科
シンガポールの大病院
初めての産婦人科検診

PART4
従兄弟紹介の産婦人科
産婦人科の隣 
妊婦のはまった南国フルーツ
妊娠初期の食べ物
シンガポールのクリスマス
妊娠16週目、血液検査の結果

PART5
シンガポールの大晦日
シンガポールでの元旦
1月2日、羊水検査
羊水検査の結果

旧正月直前のシンガポール
19週目、胎動を感じるようになる

PART6
両親がシンガポールに3日滞在
旧正月前のチャイナタウンとクラークキーの夜
羊水検査から6週間後の検診
チャイニーズニューイヤー
元旦と2日目


PART7
夫婦でシンガポールPRを取得
25週目、メールで知り合った妊婦友達と会う
フリーマーケット巡り
日本人の母親学級
32週目(9ヶ月目)検診で
妊婦最後の35週目

PART8
5月14日アルバニア病院へ入院
出産のための入院中
5月15日午前4時28分出産
全身麻酔による帝王切開
出産直後の1日
子供の名前

PART9
5月16日、産後1日目
授乳の量、ミルクの量と間隔
入院中
手術後の体
同室の人々
入院6日目に退院

PART10
ベビーブック
予防接種

退院と精算
日本の母の滞在
4ヵ月頃までのミルクの飲み
おむつの話

  
PART11
離乳食の話
寝返り、おすわり、つかまり立ち
赤ちゃんとの初海外旅行NEW
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