なくしたい叱り方 (全日本家庭教育研究会)岸田先生 算数のテストの点数が悪くて、しょげている1年生の男の子を、お母さんに代わって叱ってみましょう。
たった一言、「そう、70点だったの。がんばっていたのに、残念ね。また、今度がんばろうよ」と励ましてあげればよいのを、オーバー気味に、とっても長いお小言にしてみました。 初めに、「何回同じことで叱られたら、気がすむのよ」と、おなじみの前置きのことばがあって、「答えを書いたら、きちんと見なおしなさいと、いつも言ってるでしょう」と、これは、正しい指導を入れてみました。 次は、「一昨日も、6と9をまちがえてたし算したし、先週は、たし算とひき算をまちがえて計算したでしょ」と、今度のテストとは直接関係のないことのむし返しです。 「国語も同じよ。この前、山と川の漢字を反対に書いたでしょ」は、しつこくて陰湿な“いじめ”みたいなものでしょう。 「山がどうして川なのよ」は、身勝手な親のグチです。 そして、「こんな簡単な問題をまちがうなんて、ほんとうに、あなたはダメな子ね」と、テストの点数だけで、子どもを“できの悪い”タイプにはめこんでしまいました。 最後の仕上げは“いやみ”です。「いったい全体、だれに似たの?」もちろん、ご自分ではありません。 私自身、自分の子どものテストの点数をあまり見たことがないという、出来のよくない父親でしたから、あまり偉そうなことは言えませんが、“子どもに嫌われない大人”になるために、やめたほうがいいな、なくしたほうがいいなと思う叱り方を取り上げて、“なくしたい叱り方”と呼んでいます。(“なくしたい”は、次の5つの頭文字を取ったものです。) ながい、くどい、しつこい、タイプにはめる いやみがある ながい(長い)叱り方は、読んで字のごとくです。 くどい叱り方は、同じことを何度もくり返して言ったり、あまり関係のないことを引っぱってきたりして、長時間叱ることです。 しつこい叱り方は、過去のことをむし返して、何度も叱ることです。 タイプにはめる叱り方といやみのある叱り方については、先ほどのお小言の例でおわかりでしょう。 親の言うことを少しも聞かない子、口ごたえばかりする子。 「この子は、私をイライラさせるために生まれてきたみたい」、「ほんとに、かわいくないんだから」と、グチっぽくなるのが人情です。 幼稚園年長のよう子さんはのんびりやさんで、朝もなかなか服が着られません。見ていると、いらいらしてきて、つい手を出したくなります。 お母さんは、「よう子、早くしなさい!」をおさえて、「よう子ちゃん、は〜やくしてくださ〜い」と歌うように言うことにしました。 初めの頃は、反応がありませんでしたが、しばらく経って、よう子さんからも、「は〜い、もうすぐですよ〜」と、歌が返ってくるようになったそうです。今はまだ口が動くだけで、手や足の方は、そんなに速く動きません。それでも、朝一番のお母さんのお小言がなくなって、朝の大切な時間を、お母さんもよう子さんも、楽しい気分で送れるようになったのは大収穫です。 お子さんの力を信じて、“待ち”の姿勢でいろいろ工夫してみませんか。 「かつて娘が幼稚園児だった頃、子どもを動かすのは、北風よりも太陽だということを学びました。強く叱りつけるより、誉めたりおだてたりしたほうが、子どもは言うことをよくきくということです。」 フリー・アナウンサーの寺田理恵子さんの言葉です。 |
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